Nさん(30代男性)は、バイクで交差点を直進していたところ、対向車線を走行していた自動車が突然右折して来たため、衝突し、転倒してしまいました。その結果、Nさんは、左手首開放骨折、正中神経断裂等の怪我を負ってしまいました。
Nさんは、約4年間のリハビリに耐えましたが、正中神経麻痺による手のしびれ等が残存したため、後遺障害の等級の申請を行いました。その結果、Nさんには12級13号の後遺障害が認められました。
Nさんはその結果を踏まえて保険会社と示談交渉をしましたが、保険会社はNさんに減収が生じていないことのみを理由に逸失利益は0円であり、最終支払額は300万円弱であると主張してきました。
Nさんは、交通事故に遭う前は社内での営業成績がトップの会社員でした。しかし、事故による後遺障害のために手に力を入れることができず、業務に大きな支障を生じていました。そんな中で、Nさんに減収がないのは交通事故以前よりも努力をして仕事を続けていること、会社の上司や同僚のサポートがあって何とか収入を保てているためでした。
Nさんは、それら全てが否定されたように感じ、保険会社の対応に激しい憤りを覚えて、サリュに相談に来られ、契約されました。
サリュがNさんの就労状況等を調査したところ、毎月の給与に減収はないものの、Nさんの営業成績が同僚と比べて伸び悩んでいる結果、ボーナスの金額が著しく低くなっていることがわかりました。
サリュはそのような事情を保険会社に伝え、交渉を行いました。しかし、保険会社は当初の「減収がないから逸失利益は0円」という主張を崩しませんでした。
そこで、サリュは紛争処理センターの和解斡旋手続を利用して、Nさんの後遺障害が業務にどれだけ支障を生じているのかを訴え続けました。その結果、逸失利益を含めて800万円以上(うち逸失利益は約550万円)での和解が成立しました。
Nさんからは、「私が今回の交通事故でどれだけくやしい思いをしたか、そういった思いを汲んで交渉を続けて頂いて、本当に感謝しています。」とのお言葉を頂きました。