Iさん(40代男性)は、バイクを運転中に黄色信号で交差点内に直進で進入したところ、対向車線から右折してきた車と衝突し、左足大腿骨頚部骨折、右肩鎖関節亜脱臼等の重傷を負いました。
Iさんは、約2年間懸命にリハビリを行いましたが、左足の股関節を人工関節に取り替え、股関節や肩関節の可動域制限等の複数の後遺症が残りました。Iさんは自分の怪我が後遺障害としてどの程度のものなのか、自分の症状をしっかり反映してもらうにはどうすればいいのかが分からず、サリュに相談に来られました。
Iさんが負われた大腿骨頚部骨折とは、太ももの付け根部分にあたる骨の骨折で、治りづらい骨折の一種です。特に、骨頭への血流が阻害されるため、Iさんのように人工関節への置換を要するケースも少なくありません。
また、肩鎖関節が脱臼、亜脱臼すると、肩の痛みや可動域制限等が生じやすく、将来にわたって症状が後遺することも珍しいことではありません。
そこで、サリュでは股関節及び肩関節の可動域を主治医に入念に測定してもらい、且つ、今後の示談交渉の際に有利に働くように将来的に人工関節の再置換を要する点も後遺障害診断書に記載してもらったうえで後遺障害の申請(被害者請求)を行いました。
しかし、自賠責では股関節の可動域について10級11号が認められたものの、肩関節については14級9号の神経症状としての評価でしかなく、サリュが予測していた結果からはかけ離れたものでした。
そこで、サリュはIさんの主治医と面談を行い、Iさんの肩関節の可動域制限は肩鎖関節の亜脱臼により生じたものであり、右の鎖骨についても脱臼のために左と比較して変形が見られるとの意見をもらいました。
その意見やIさんの両肩の写真等を基に異議申立を行った結果、肩関節の可動域制限について12級6号、鎖骨の変形について12級5号が認められ、最終的に併合9級が認定されました。
ところで、本件事故についてIさんの過失が4割程度であると予想されたため、等級確定後、サリュはIさんの過失部分については人身傷害保険から、それ以外については加害者の任意保険会社にそれぞれ請求を行い、最終的には裁判基準とほぼ同額である約3300万円(自賠責保険金含む)を回収しました。
Iさんからは、「わからないことだらけだったので本当に助かりました。お世話になりました。」とのお言葉を頂きました。